アラカルト

サボイア初公開

今夜のテレビ映画はスタジオジブリの「紅の豚」でしたね。久しぶりに見ましたが、やっぱりいい映画です。4,5年程前に授業で二次資料としての模型製作をしたことがあります。博物館の模型というのはいろんな考証をもとに作られていて、それを学ぶ授業でした。その際、学生の関心をもとに紅の豚に登場する架空の飛行艇「サボイアS.21前期型」をモチーフにしました。最終的に専門の方に10分の1模型の製作依頼をしたものが写真のモデルです。細部に至るまでデザインの検証をしています。また、これはラジコン機として飛ばせることが可能です(もったいなくて動かしたことはありませんが)。特に動体下の逆向きになった半円のソリがあるのが特徴で、ここをちきんと再現したモデルです。このソリがあることで飛行が不安定になるのですが、イタリアでは当時からこのデザインがとられていたのです。このモデルをもとに実際の構造モデルに挑戦しようと思い、イタリアの航空博物館まで行って当時の構造を確認しに行きましたが、結局航空機の構造は縮小モデルと実機のサイズでは飛ばしたときに浮力の問題で異なってしまうことや、架空のモデルを対象としているなどの課題が生じ、ちょっと手を出すのが難しくそのままにしていました。そんなことより、飛行機というのはこの時代がもっとも飛行機らしかったとつくづく思います。ずっと研究室で手を付けず保管したままにしていましたが、よい機会なので引っ張り出してある程度組み立ててみました。真っ赤なこの機体をみていると、映画のエンディングで流れる加藤登紀子さんの唄「時には昔の話を」が聞こえてきます。昔の情熱って何だったかなぁ。保管しておくだけだともったいないので、ご関心のある人がおりましたら、いつでもお貸しいたします。

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│-│-│2018/11/02(金) 23:00

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