アラカルト

伝統工芸の新たな継承方法

だんだんと学内関係者の親族がワクチン接種をしたという話を聞くようになりました。ただ、面白いのは「打ってほしい」という人と、「打ちたくない」という人に分かれる点です。私はそもそも注射が嫌いなので「打ちたくない派」ですが、仕事上打っておいた方がいいんでしょうねぇ。◆火曜日はゼミの日です。3回生ゼミのテーマがほぼ確定し、少しずつ内容を深めています。今日学生と話していて面白かったのは、誰も「計画的陳腐化」の言葉を知らなかったこと。マーケティングの授業等で習わないのだろうか。人々は企業が画策する流行に乗り、モノを買いサービスを受け、そして古いと思わされてすぐに捨てる。その繰り返しで企業の業績はアップしますが、資源ロスは止まず日本中ゴミだらけになっていくわけです。最近のプロダクトは、壊れるように設計され、意図的に陳腐化されていきます。この学年では、昨今のSDGsとからめながら、その悪循環を止めるためのプロダクトを伝統工芸とからめて提言していきます。ただ、抽象的な話だけでは理解しにくいので、具体例を示していきます。例えば、いつも私が使っている筆ペンがあります。日常的に本格的な筆を使うのはなかなか難しいですが、筆ペンなら気軽に使えます。しかも、墨がカートリッジ式になっているので万年筆のように永遠に使えますし、墨がインクのように固着しないので万年筆よりも優れていると思います。本体には竹工芸が使われ、入れ物には伝統的な布地が使われています。プロダクトのクオリティが高いのです。買ってから恐らく10年以上経過していると思いますが、まったく問題ありません。まさに「一生モノ」です。少々高くても、長く使うことで結果的に安くつく場合もあります。伝統工芸といっても、使われなければどんなに良いモノでも継承は難しくなります。本職の方からは「邪道」といわれるかも知れませんが、可能な範囲で時代に合わせることが大事だと考えますし、それをどうプロダクトし、デザインするかが課題なのだと思います。結構好きなテーマなので、京都の伝統工芸を勉強しながらいろんなアイデアを考えてみたいと思います。

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│-│-│2021/06/08(火) 22:12

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