アラカルト

奈良物

スッキリ晴れ渡りましたが、日中はうだるような暑さとなりました。まだ、職場と自宅は扇風機でしのいでいますが、さすがに車は死にそうになるのでエアコンを付けました。また台風も発生したようなので、気をつけましょう。◆かなり前に録画していた「カンブリア宮殿」を観ました。中川政七商店の経営についてのお話です。先月、新社屋を見学したばかりだったので、とてもタイムリー。知らなかったんですが、13代目の社長さんはすでに退任し、身内以外の方が14代目の社長さんに就任されたとのこと。ただ、13代目の方が異色で、ここ十数年で会社を大きく変貌させただけでなく、奈良のイメージすら変えてしまっているような気がします。思い起こせば、今から11年前の2010年に奈良平城遷都1300年事業における展示コンセプトを考えるに当たって、その数年前から奈良関係の書物を手当たり次第に読みあさりました。写真の本はその時に読んだ通史本の一部です。その中で、一番印象的だったのは、「奈良物(ならもの)」という言葉です。日本の産業の多くは奈良から発祥したといっても過言でないくらい、1300年前は相当なテクノロジーの発信基地でした。当時、「奈良物」と言ったら「最高級」を意味していました。ところが、近年における「奈良物」は、「粗悪品」を意味すると聞いて愕然としました。そこで、1300年事業は歴史プロジェクトではありましたが、「過去は良かった」で終わらせず、<奈良のものづくりの精神を取り戻す契機>にできればと思い、奈良の良い物を片っ端にピックアップしていく動きや、新たな価値創造を少しでも行う視点をもってもらうよう働きかけをしました。中川政七商店が行っていることは、まさに価値創造であり、六次産業化的な動きとして捉えることができるかと思います。それも、奈良にとどまらず全国のものづくり事業を応援する動きにまで高めていて、とてもアグレッシブだと感じました。さらに、彼は産業観光にも力を入れるようになっているとのことでしたので、また時間を見つけて追いかけてみたいと思いました。

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│-│-│2021/07/19(月) 21:58

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