アラカルト

人口5千人の村での文化政策

日中の車載温度計で39度を記録。身の危険を感じる暑さでしたので、車の中ではエアコンを使いました。身体が慣れるまでちょっと時間がかかりそうです。さて、今週の日経新聞夕刊の「人間発見」欄では、ラ・フォル・ジュルネ(熱狂の日・音楽祭)を創始した音楽プロデューサーであるルネ・マルタン氏が取り上げられています。いま丁度執筆している原稿で取り扱っているテーマなので、非常にタイムリーです。彼や彼を見いだした当時のフランス・ナント市長であったジャン=マルク・エロー氏の文化政策はほんとにスゴイものがあります。傾きかけた町が「ヨーロッパで最も住みやすい都市」と呼ばれるまでになったのです。2年前までびわ湖ホールでも同音楽祭を実施していましたが、やめてしまったのでほんとに惜しいことをしました(一応類似の事業は継続していますが…)。やめてみて分かりますが、はやり彼の曲をセレクトする力、およびアーティストとのネットワークというものに大きな価値があったのです。ラ・フォル・ジュルネは国際的に有名ですが、私は彼がそれより前にプロデュースした「ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭」を評価しています。この音楽祭はフランスのプロバンス地方にあるラ・ロック・ダンテロン村で開催される事業です。人口が5千人ほどの小さな村ですが、そこが世界最大のピアノの祭典の一つとして知られるまでになっています。世界中からアーティストが総勢400名が集まり、約100もの公演が行われ、1ヶ月間でのべ8万人が来場します。よく「小さい町では何もできない」ということを聞きますが、どこもラ・ロック・ダンテロンよりも人口ははるかに大きな町ばかりです。つまり最初から諦めているんです。「人口が5000人の地域だからできない」のか、「人口5000人でもやってみる」ではまったく思考は異なります。たぶん、明日の記事に上記に関連する内容がでてくるかと思います。一度プロバンスに行ってみたいものです。

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│-│-│2019/07/30(火) 23:37

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