アラカルト

滋賀の文化遺産をどう守り伝えるか

昨日の委員会で学芸員の方から論文を頂きました。研究室にいると電話やメールがどんどん来るので、じっくり読みたかったこともあり、午後は外の喫茶店に籠もっていました。滋賀県立安土城考古博物館は、設立当初は年間2億3千万円の運営費がありましたが、2016年度には1億4千3百万円に。そのうちの展示・保存・調査・教育普及費用は、当初は6千5百万円だったものが、2016年度には1千5百万円に。4分の1以下です。学芸員数は、現在は5名。考古3名、保存科学1名、文献史学1名です。大学もそうですが、最近は、「あれもやれ、これもやれ」と抱えきれない要望が飛んできます。論文ではメディア対応だけでも四苦八苦されていることが伺えます。非常に苦しい運営をずっと続けていらっしゃるのです。運営懇話会の委員をさせて頂いているので、以前から知ってはいましたし、やっとリニューアルが動き出したのは良いことですが、そもそも組織の在り方を根本から考え直す必要があろうかと個人的には思っています。自分にできることは限られるかも知れませんが、私のメリットは利害関係がほとんどないことです。関西もいつ大災害に見舞われるかわかりません。滋賀県の文化遺産を守り伝えるための仕組みとともに、意識の醸成をいかに図るかも思案のしどころでしょう。本当は滋賀県立歴史博物館というしっかりした組織が安土博とは別に欲しいところですが、せめて学芸員を増やす策を考えなくてはなりません。県民に実情を知ってもらうことも大事かな。

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│-│-│2022/01/28(金) 20:23

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