アラカルト

竜王と渡来の文化

緊急事態宣言は解除になりましたが、すでに東京ではリバンウンドが始まっているような感じで心配です。一方、学内ではワクチン接種の準備が着々と進んでいるようです。◆さて、日曜日の話ですが、近江八幡から帰る途中で一度寄ってみたいと思っていた苗村神社(竜王町)を訪れました。門がご立派。お寺ではなく神社です。神仏習合の名残がありますが、何より驚いたのが、この神社の創建年代が前に訪れた鏡神社と同じ頃ということ。しかも、どうもここもアメノヒボコ(新羅の王子とされる人)と関わるようです。「苗村」と書いて「なむら」と読みます。もともと日本書紀にアメノヒボコが滞在した吾那邑(あなのむら)であったものが那牟羅(なむら)に変わり、さらに長寸(なむら)に変わって、最終的に苗村になったという。なので、祭神は那牟羅彦神と那牟羅姫神です(残りの国狹槌尊は後に追加されたらしい)。単なる地名ではなく、古代の朝鮮半島南部にあった安羅(安耶・安那)という小国家の名前からきたものという説もあり、実際に滋賀県には安羅神社という名称の神社がいくつかあり、ここもアメノヒボコと関係している可能性が高いのです。ただ、不思議なのは地理的に山に囲まれた平地であり、そこに古墳が作られ、まさに古墳の中にある神社なのです(とくに東本殿)。なぜこの地が選ばれたのか、またなぜ祭神がアメノヒボコではないのかという疑問が残ります。ちなみにこの神社、大祭が33年に一度行われるとのことで、次回の大祭はなんと2046年です。滋賀の文化は深すぎますが、とても面白いです。境内に変わった紫陽花が咲いていました☆

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│-│-│2021/06/22(火) 23:04

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