アラカルト

幻の「丹の湖」とは

今日から本格的に授業開始。学内は賑やかかつ、年始挨拶の連続。いつも思いますが、1年が早い!すぐ2020年になりそうです。さて、火曜日は大学院の授業をしているのですが、最近亀岡市の事を多く取り上げています。私はこれまでほんの数回しか行ったことがないので地域把握が十分でないのですが、調べてみるとびっくりするほど多くの問題を抱えています。その一つが京都スタジアム。以前からいろいろもめているのは知っていましたが、その後すったもんだした挙句、場所を変更して入札も済んだようです。2020年の春にはできるようです。で、なぜ問題かなんですが、今から4年半前の台風を覚えていますでしょうか。嵐山の渡月橋が流されそうになった時のことです。実はあのとき、上流の日吉ダムの限界をはるかに超えていたんです。それで亀岡では大被害が起きていました。私は大学の被害のことで頭がいっぱいでしたが、とんでもないことが起きていたんです。3枚目の写真は見ずらいですが、赤と緑のラインは日吉ダムができる以前の大規模被害の範囲、黄色のラインは4年半前の被害範囲となります。ダムができたから被害がなくなったわけではなく、下流域では被害の範囲はそれほど変わっていないということです。つまり現代でも大水がでると盆地の中央部が水で埋まってしまうのです。スタジアムの当初案ではこの中(遊水地と呼ばれる所)につくる予定で、さらにその真下には国の天然記念物であるアユモドキの生息地があったわけなので、多くの反対運動があり計画変更となったわけです。よくもまぁ、そんなところに作ろうと考えたものですが、このことや洪水の事を京都市内の人はどれだけ知っているのかという疑問があります。京都の被害をここで食い止めているといっても良いでしょう。なぜこういう被害が出るのかを調べていたら、面白いことにたどり着きました。実は亀岡には出雲大神宮という神社があり、祭神は大国主命。かつて亀岡は湖であり、その水をぬく工事を大国主命が行ったという伝説があるのです。その湖は「丹の湖・丹の海(にのうみ)」といい、赤土の泥湖であったそうです。あくまで伝説なので史実とは考えられていないようですが、こういう話にはなぜかとても興味をそそられます。地形の特徴からして私は湖があってもおかしくないと考えます。古代に嵐山周辺の土木工事を行った秦氏が関わった関係があるのではないでしょうか。亀山には松尾大社と関係する神社が沢山あるとのことで、なかなか興味深いです。本来は日吉ダムを造るのではなく、亀岡ダムを造らないといけなかったのかも知れません。新しいスタジアムは結局盛り土をして建設することになっていますが、自然の驚異というのは人間の想像を絶することもあり、日吉ダムだって壊れないとは言いきれないと思っています。その時は京都市内の桂川流域および巨椋池の方まで影響が出てくるでしょう。ちょっと怖い話ですみませんでした。ちなみに、京都府の桂川流域の河川計画についての意見書提出締切がなぜか今日だったのです。今日のおやつは御殿場で買ったうなぎパイの会社が作ったうなぎクッキーを。うなぎパイも好きですが、このクッキーもなかなか絶妙な味でした☆

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│-│-│2018/01/09(火) 22:33

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