アラカルト

担い手は20代

今朝もうっすらと雪が降り積もりました。この寒さのせいか、今週は酷く体調が悪いです。不整脈も続いています。暖かくなって欲しいなぁ。さて、熱海の続きです。テーマは商店街。一応、メインで訪れたところです(行列は例のプリン屋さん<2号店>)。熱海は、1960年代に流行した慰安旅行の拠点でしたが、バブル経済が崩壊して急速に衰退していきます。今日の観光において求められるのは、従来の旅館・ホテル完結型の観光ではなく、現地ならではの「感動体験」ができるということが大事になってきています。しかし、問題は地元の人が地元の魅力を発掘できていないところに問題があり、それは熱海も同じでした。熱海の場合には、行政、あるいは民間だけが努力するのではなく、街に関わる多くの人が協力し合い、新たな観光政策を作ることに成功したのです。その結果、2011年に264万人だった観光客が2015年には308万人に増やすことに成功し、その効果はまだ続いています。仕掛け人は市来広一郎さんという人物。2007年に熱海にUターンし、地元の衰退を危惧しゼロから地域づくりに取り組み始めます。まずは遊休農地再生のための活動「チーム里庭」を立ち上げ、地元の人が熱海の魅力を案内する「熱海温泉玉手箱(オンたま)」を熱海市観光協会、熱海市などと協働で開始します。2011年には民間まちづくり会社machimoriを設立。2012年にはシャッター商店街にカフェ「CAFE RoCA」(2番目の写真)、2015年にはゲストハウス「guest house MARUYA」(3番目の写真)をオープンし、商店街再興の切っ掛けをつくります。どちらも若い感性が溢れていました。2013年からは静岡県、熱海市などと協働でリノベーションスクール「@熱海」を開催。2016年からは熱海市と協働で「ATAMI2030会議―熱海リノベーションまちづくり構想検討委員会」や、創業支援プログラム「99℃―Startup Program for ATAMI2030」などを企画運営しています。また、商店街にコ・ワーキングスペース「naedoco」をオープンさせ、とにかく空きスペースをリノベーション手法で有効活用していきます。そして例のプリン屋さんもできて、熱海はいま結構熱い街になっています。彼が地域再生をやり始めたのが28歳の時だと思われますから、20代の若者が街に貢献してきたことになります。最初は地元の人達の反発もあったようですが、彼の行動は他の街にも参考になろうかと思われます。昨年、彼は『熱海の奇跡』(東洋経済新報社)という本を上梓しています。今度買ってちゃんと読んでみたいと思います。地域振興に魔法はありません。計画・目標を立てて地道に行動すること。行動しなければ何も始まりません。

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│-│-│2019/01/10(木) 22:24

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