アラカルト

縄文の衝撃

天候のせいか、朝からすっきりせず。でも仕事はいっぱい。リモートの添削もドッサリ。私は一人一人丁寧に添削文を書きます。そうとうな時間がかかります。ただ、これはやりたいからやっています。また、対応したくなる課題を出すようにしています。◆ところで、昨日、ユネスコの諮問機関が「北海道・北東北の縄文遺跡群」を世界文化遺産に登録するよう勧告したとのこと。とてもおめでたいことです。記紀によって東北の文化は葬り去られたわけですから、記録の残忍性、また皇国史観の罪を改めて思います。我々の世代はそれに染まっていました。まさに洗脳。私が古代や東北にとくに関心をもったのは、2011年の震災以降、東北地方の博物館や史跡に足を運び、様々なものを見たからです。とくに衝撃を覚えたのが、写真の「垣の島遺跡」(北海道函館市)の「漆糸製品の復元」を記録した報告書を見たときでした。この資料は宝物の一つです。この遺跡から、9000年前の漆製品が発掘されたのですが、なんとそれは「漆の糸」なのです。漆といえば漆器ですが、9000年も前に糸に塗られていたとは最初信じられませんでした。縄文時代といえば、粗末な衣装を着ているとばかり勝手に思っていましたから。この漆糸製品がいかに手間をかけて作られているかを知れば、縄文人の文化・芸術がどれほど高かったのかが良く分かります。恐らく、知能的には我々より上だったかも知れません。また、「御所野遺跡」(岩手県一戸町)の復元住居を見たときも、目からウロコでした。「竪穴式住居=古くさい住居」くらいにしか思っていませんでしたが、この建築は地震に強く、電気がなくても寒い冬を過ごせるスーパーアーキテクチャーだと分かったときは、無駄にエネルギーを浪費する現代人の愚かさを思い知りました。ちなみに、この遺跡の復元住居は東日本大震災時に倒壊したものはありません、一方で現代住居は沢山壊れました。なので、その後、古代の文化に強い関心を持つようになったのです。世界遺産をきっかけに、遺跡を単に過去のものとするのではなく、当時の思想や文化を今にどう生かせるのかを考えていくことに繋がればと願います。

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│-│-│2021/05/27(木) 23:00

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