アラカルト

2030年の世界

小雨が降る一日でした。半袖だと肌寒く感じるときもあり、上着を羽織ったりなどしていました。いよいよ本格的な秋の到来を感じます。ちょっと映画でも見ようと思い、二条シネマへ。いろいろ見たい映画が沢山ありましたが、1995年公開の「攻殻機動隊」(押尾守監督)が巨大スクリーンのアイマックスで再公開されるというので、予約しました。案の定、巨大空間に30人程度しかおらず、まったく密ではありません。この映画は、2030年頃の日本を舞台(といっても昔の香港にしか見えない)にしたSFで、サイボーグが普及した世界を描いています。また、サイバーテロも日常化し、その犯罪を未然に防ぐ特殊警察組織(通称:攻殻機動隊)の活躍を描きますが、根本課題として「ロボットにも魂は宿るのか?」ということではないかと思われます。そもそも「魂は存在するのか?」という問題もありますが、いろいろ考えさせられる映画です。アニメーションではありすが、実写を超える完成度だと思いますし、だからこそリバイバルされたのでしょう。DVDでは見たことがありましたが、一度スクリーンで見たいと思っていました。1995年というのは、まさにインターネットが普及しはじめた頃で、マイクロソフトのウィンドウズが登場した年でもありました。原作とはかなり表現が異なるようですが、映画としての世界観が半端ありません。その後、1998年に公開されるハリウッド映画の「マトリックス」に影響を与えたというのは頷けます。この攻殻機動隊は、完成年度とその後の派生シリーズを考えても、今の40代か30代の人に支持されるものと思いましたが、実際の来場者のほとんどは20代と思われました。1990年代のアニメを若者が見るというのはどういう感覚になるのか、一度聞いてみたいところです。すでに「古典」かも知れません。そして、中でも印象に残ったのは主題歌の「謡 III Reincarnation」です。民謡グループの西田社中さんのものですが、まさに鎮魂歌です。御詠歌にも近い雰囲気をもち、この映画作品の世界観を際立たせています。謡の意味まで考える人はあまりいないと思いますが、歌詞の最後に「トホカミエミタメ」という言葉が出てきますが、これは太古からの言霊です。ヲシテ文字で書かれた『太占(フトマニ)』という占書では、中心に表現される神の名の頭文字で、「トホカミヱヒタメ」と表記されるのが原型と思われます。この言霊を唱えると、あらゆる罪と穢れを一瞬のうちに消し去り清浄に戻すされます。どのような意図で作詞されたのかは不明ですが、一度聞くとずっと頭の中に残ります。一説に、天皇は日本の安寧を願い、この言霊を1日何十回も唱えているとのこと。そういえば、小室氏の影響で今後の皇室が心配です。10年後の未来はどうなっているのでしょうか。サイボーグはまだやろうけど、ロボットは沢山いるかも。

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│-│-│2021/09/26(日) 22:21

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