アラカルト

学生学会という組織

寒い日は続くし、コロナは広がるし、辛抱のしどころです。今日は会議や転学部試験・面接等であっという間に夜。大学の規模が大きくなったので、学内での転学部が増えてきました。とくに、うちの経営学部は潰しがきく関係から、他学部からの受け皿になりつつあります。今後、ますますその傾向は強まるかも。◆ところで、市民新聞山科区版が届き、パラパラッと見ていたら、最終頁に大学の「まちづくり研究会」と大田先生の記事が掲載されていました。とても有り難く思います。思えば、亡くなられた織田先生が、学部の発足した21年前に立ち上げられた組織で、現在も続いています。外からはわかりにくいのですが、学内には「学生学会」という組織があり、うちの学部の場合、大学のサークルとは別にいろんな学生学会の研究会があります。予算も別会計です。授業内ではやりきれない活動を展開することと、よりやる気のある学生を専門毎に伸ばすという意味もあり、その形式は多様です。私は21年前に「ミュージアム研究会」というのをつくり現在でも専門学芸員養成支援の活動をしています。ただ、文化政策学部から現代ビジネス学部に変わって以降、文化施設に関心をもつ学生が極端に少なくなったので、その後ミュージアム・エリアマネジメント研究会に名前を変更し、おもにゼミ活動と公共政策に関わる授業と連動して、授業の限界を超える地域振興系の活動を展開しています。ルシオールや御朱印帳のプロジェクト、あるいは安土未来づくりの活動もその一環なのです。どうしても、通常のカリキュラムだと時間に縛られてフィールドワークなどは本格的にできません。予算も限られます。また、授業のためのフィールドワークでは、十分な効果が期待できません。私が受け持つ地域活動の場合、学生の活動が地域政策にダイレクトに反映される仕組みを考えています。もちろん、この制度にも課題はあります。とくに、本来的には「学生主体」で行うことが望ましいのですが、なかなか学生だけではスムーズに動かないという現実的な問題があります。したがって、担当する先生方が実質的に動かしている部分が大きいのですが、経験的にそれは仕方のないことかと思っています。年代によって学生のモチベーションは異なりますし、本格的に行おうとすると管理だけでも大変です。最近の学生は学業もバイトも遊びも忙しく、スケジュール調整をするだけでも一苦労なんです。それに加えて主体的に何かに取り組ませ、学生を動かすというのは、実は相当テクニックが必要になってきます。先生が黒子になりつつ、学生を主体的に動かすことが大事かなと思って、フィールドは提供しますが、企画の面では口を出さず学生の思いを重視し、それをサポートする形でずっと続けています。だから、最近大学において「リーダーシップ教育が大事」「プロジェクト経験が大事」などと議論していますが、評価はどうであれうちの学部では21年前から学生学会を通じて実践をし続けているのです。思えば、このことをブログで書いたのは初めてかも知れません。

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│-│-│2022/02/09(水) 21:43

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