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アラカルト研究倫理と研究道徳芸術文化交流を契機に、1971年に京都市とキエフ市は姉妹都市を提携していたということを今日知りました!京都市は今日から市役所前に献花台を設置し、また各役所の窓口や地下鉄の駅で寄付金を募っているとのことです。◆今日はずっと遠隔で会議や研修がずっと続き、なんかぼんやり。コンプライアンス研修会というのがあり、面白かったのは民俗学研究が事例に上がったことです。私が学生の頃はほとんど研究倫理という制度がなく、民俗学の場合、地域全体が丸裸になってしまうため、その後調査方法が大きく変わったと思います。とくに族制調査は個人情報を聞き出さないと記録がとれないので、最も難しい領域になっていると思います。でも、当時から調査方法だけでごっつい本があり、それをみっちり勉強し、ヒアリング項目もきちんと設計してからフィールドワークを行っていました。ヒアリングの場合、慣れない人がやると誘導尋問になりやすいため、その点はとくに気をつけたりしていたのを思い出しました。写真は昭和60年に調査した報告書で、私の代で編集したものです。この頃はまだ基本を学ぶだけで精一杯でした。ただ、内容は本格的なものなので、報告書をまとめるのに4年かかりました。つまり卒業してからもずっとやっていて、この挿絵や表紙の切り絵は、私がデザインしたものなので愛着があります。翌年の調査は後輩が編集したのですが、結局6,7年かかったんじゃないかなぁ。ちなみに、同期の友人は埼玉県川口市の学芸員となり、後輩は大分県博の学芸員をしています。二人とも民俗が専門です。代々、誰かが教員か学芸員になっています。その後の研究会では、調査が難しくなっていくのと、報告書をまとめる労力もあり、悉皆調査を大学生が行うことはほとんどなくなりました。ただ、柳田国男先生とその秘書であり学部創設者の鎌田久子先生が創設と運営に関わった研究会でしたので、いまでも存続はしていますが調査活動は十分できていません。学生の頃は、今以上に地域に課題があり、当時は試行錯誤ながらもそれを肌で感じられたことが、今の地域研究に生きているように思います。それから、共同研究の場合は、どうしても分担や編集等でトラブルになりがちなので、私の場合、大学での研究は単独調査を基本としています。とにかく、不正するというのは論外で、また研究成果も大事ではあると思いますが、それ以上に対象者のメリットを少しでも考えることが重要だと思います。情報を取るばかりでなく、何をお返しできるかということ。研究倫理は当然ですが、それ以上に研究道徳を持つように心がけてはいます。たいしたことはできていませんが、研究情報をなるべく公開するようにしているのは、実はその一環でもあります。
│-│-│2022/03/02(水) 21:49│
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