アラカルト

石の花 ー戦争と平和ー

明日の守山での音楽祭に向けて、朝早いので今夜から市内のホテルに入っています。◆さて、G7広島サミットが始まりました。各国首脳は40分も原爆資料館の見学をされたそうです。今は東西冷戦以降で最も核使用の危険性が高まっている時だといえます。誠に愚かなことです。技術の進歩はあっても、人間はそれほど進歩していないのでしょう。ところで、ウクライナ侵攻で世界的に再評価されている日本の漫画があります。坂口尚(さかぐちひさし:1946〜1995)さんの『石の花』(全5巻)です。今年、「漫画のカンヌ」とされるフランスの国際漫画賞を受賞しました。私はまったく知らなかったのでGW中から読み始め、先日読了しました。1941年にナチスドイツ軍が平穏であった旧ユーゴスラビアに侵攻し、その後の紛争がクリロとフィーという若者の目線から描かれています。複雑な環境であるからこそ、その問題を正面から取り組んだ傑作です。坂口さんはとても才能のある方だったようですが、巨匠手塚治虫氏の陰に隠れてしまった人という印象を持ちました。この作品を知らなかったことが日本人として恥ずかしく思いました。作中には悲惨な表現がこれでもかと出てくるので、読むには覚悟が必要ではありますが、戦争の実情をリアルに追体験することができます。タイトルは『石の花』ですが、私は『戦争と平和』というタイトルでも良いと思っています。人類はいつまで「戦争」という行為を続けるのでしょうか。また、もし日本が戦争に巻き込まれたら自分はペンを銃に持ち替えるのだろうか。防衛のためとはいえ人を殺すことに変わりありません。クリロとフィーの葛藤はそこにあります。◆今夜のブラタモリは「山科」でした。うちの裏山からスタートし、いつも生活している所や、いつもお世話になっている人たちが登場し、とても嬉しく思いました。これだけしっかり山科が全国放送されたのは、私がこのまちに来て初めてのことかと思います。今後も可能な範囲でまちの魅力を発掘し発信していければと思います。

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│-│-│2023/05/20(土) 20:50

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