アラカルト

大切な宝物を思い出させてくれる小説

朝、出勤途中にどうみてもサイズオーバーの制服とリュックを背負った中学生が仲良く歩いているのを見ました。新入生なんでしょう、これからすくすく成長し、様々な経験をしていくのかも知れません。◆先日、本屋大賞の話を書きましたが、生協で1巻目の方が売っていたので買って読んでみました。宮島未奈さんの『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)です。想像以上に繊細な描写で、成瀬さんと彼女を取り巻く人々の人間模様が大津を舞台に繰り広げられます。いるはずのない人物なのですが、確かにそこにいるという不思議な感覚と、ほろ苦い青春時代を追体験できます。というか、大切な宝物を思い出させてくれます。展開の仕方も面白い。今後、成瀬さんがどのように成長していくのか楽しみになりました。

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│-│-│2024/04/18(木) 08:43

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