アラカルト

大事なことは言葉で伝える

京都は日中35度の猛暑日になるそうです。というか、すでに暑い…。熱中症などには気をつけたいものです。◆先月生協をうろうろしていて目に飛び込んできたのが写真の本。『縄文時代を解き明かす』(阿部芳郎編著、岩波ジュニア新書、2024)です。研究動向の全体像が平易に書かれていてとても分かりやすかったです。各分野で分析方法が進化していることが分かります。私が学生の頃は、縄文時代というとホンマに野蛮な時代という認識でしたが、この数十年で研究が進み、また三内丸山遺跡の発見などもあり、認識が大きく変化しています。なので、「縄文人が文字を使っていたら良かったのに」といつも思います。ただ、なぜ彼らは文字を使わなかったのかというと、「大事なことは言葉で伝える」という「言霊」を大切にしてきたから、という私なりの仮説をもっています。ですので、日本各地の伝承や技能に縄文人の知恵が形は変わっても引き継がれてきている部分があると考えています(実証はできませんが)。ただ、それも急激な生活様式の変化の中で次第に消えていくのかも知れません。が、残るものは残るでしょう。ちなみに、縄文人はエアコンはなくても寒冷化と温暖化の時代を生き抜いています。必要な技術は使うとしても、一方でそうした側面も忘れずに再認識する必要があると思っています。

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│-│-│2024/06/14(金) 08:50

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