アラカルト

制度の見直しとその運用

袴田さんの裁判が無罪判決となりました。何か心に引っかかっていたトゲがとれたような感じです。真実がどこにあるのかは置いておき、捜査方法や手続きなどで反省や改善すべき点が多かったと思うので、犯人捜し以上に大事なのは制度の見直しでしょう。◆9月19日および9月26日の日本経済新聞夕刊に、2回に分けて大阪中之島美術館の経営について取り上げられていました(詳細は新聞を参照のこと)。この美術館は、日本で初めてPFIコンセッション方式を取り入れた施設です。簡単にいうと、公設でありながら民間経営をしているのです。通常の美術館は総支出に対する収入の割合の平均が2割なので、8割が赤字(税金で補填)です。しかし、中之島美術館はなんとか黒字経営をしている珍しい施設です。その実情は厳しく、展覧会だけでなく「ユニークベニュー」という本来の事業以外のイベントを多々行うことで事業収入をまかなっています。私は準備室のころから少しお手伝いをしていましたが、そもそも美術館(国立国際美術館)の横に美術館を作ることに反対でしたので(土地を買った時代と情勢が異なるので、契約そのものを見直し天王寺の市立美術館を充実させてそこと合体させる案を提示していました)、だんだんと引いていきました。この記事ではいいことばかり書いていますが、課題点をあまり書いていない点に問題を感じます。記事を読んだ人がコンセッション万歳とならないといいのですが…。この制度についてはまだ始まったばかりですので、長い目で評価していくべきでしょう。なんでもそうですか、完璧な制度などありませんし、制度以上に大事なのは「誰が運用するか」だと思っています。また、美術館の役割も変化してきています。

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│-│-│2024/09/27(金) 08:41

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