アラカルト

火焚祭

不思議な縁があって、昨日は花山稲荷神社の火焚祭にずっと参加していました。ほとんど観光客も来ない地元の祭りという感じでした。去年は伏見稲荷大社の火焚祭を見ましたが、まったく別物です。刀剣乱舞のブームで一般の方もお参りに来るようになったらしいですが、昨日はそれらしい人は誰もおらず、カメラをもった人は数える程で、ほとんどが氏子さんです。式典は、恐らく修験道の関係で、祝詞の後に般若心経が唱えられる形式で、何より特徴的だったのは「太刀」の奉納です。この神社はかつて三条宗近が名刀・小狐丸を作ったところとされ、刀や鍛冶、物作りととても関係の深いことを伺わせます。そのことにちなみ、火焚の場も火焚串を土製の「ふいご」の形に作られて焚かれます。非常に珍しい形式です。私も串を奉納させて頂ました。火がつけられるとものすごい量の煙が天まで伸び、その後一気に火が燃え上がります。不思議と四隅の竹やしめ縄には火が移りません。火焚きの最中、神主さんがずっと大祓詞を読み続けます。この頃になると人がどんどん集まって2百人くらいの人垣が出来ます。祝詞が終わり、火が弱くなると、火床にみかんが投げ入れられます。この焼いたみかんを食べると健康になるとのことで、皆さん競って持っていきます。神主さんが「一人一個ね」と行っているのに、四つも五つも持っていくので、ふと見たら何もありませんでした。もともとは不老不死とつながる「橘の実」を入れていたようです。ここでも橘と繋がります。とっても興味深い行事でした。結局、この花山稲荷というのは、本当に伏見稲荷よりも古いかも知れません。この辺りは古墳時代になりますが、ウケモチつまり農業技術が発達した地域であったとともに、金属加工技術も伝来・発展した地域とも考えられ、その痕跡がこの神社に見て取れます。ここにある古墳はもしかしたら月読命に殺されたウケモチの墓なのかも知れません。ちなみに、大祓詞に出てくる祓戸四神のうち、気吹戸主という神がいますが、この神は記紀ではよく分からない神なのですが、ホツマツタエによれば月読命の子どもとされています。ここにも不思議な縁を感じます。山科は農業地域であると同時に、清水焼・仏具・扇子それに福田金属など工芸や工業とも関わりがあるというのもかつての製鉄の文化と関係しているのでしょうか。今夜はスーパームーンとのことですが、まったく見えないので、昨日のお月様をアップしておきます☆

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│-│-│2016/11/15(火) 00:16

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