アラカルト

退治された神

山科には「大蛇」にまつわる行事があります。それが小山という地域に伝わる「二ノ講(にのこう)」です。毎年の2月9日に大きな藁縄を使って山辺に奉納されます。このまま1年間置いておきます。京都の人出もほとんど知らないかと思います。先週新しくなったので、拝んできました。かつて大蛇が悪さをして退治され、その霊を祀ったとされています。が、最近いろいろ本を読んでいるとこうした退治伝説は政治的な匂いがあり、本来はこの地域の山の神であったのだろうと思われます。いつしか退治されちゃった。大蛇とはそもそも山そのものであり、吊されている枝は山の木々をイメージしているのではないでしょうか。最近そんなことに気づきました。そう考えると、この地域の山はかなり古い縄文信仰の拠点であったかも知れません。またゆっくりとここの山も登れたらと思います。ちなみに稲荷神のウカノミタマやタケミカヅチ(ツチは蛇の意)なども元々「蛇神」なんですが、どうも時代の流れの中で古い信仰は消されていったようです。なので、現代まで残っているこの小山の大蛇はとっても大事なんです。ところで、駈け上がり大会に出場する学生の体調が戻ったので、衣装の試着をしてもらいました。ピッタリ☆爽やかやねぇ。「安倍晴明って知ってる?」という質問に、「まったく知りません」との回答…。陰陽師の説明と、お決まりのポーズを指導しておきました。

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│-│-│2019/02/16(土) 00:12

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