アラカルト

本当の学びは教室の外にある

私が大学生の頃は、ほとんどの授業が一方的でお世辞にも面白いとは思いませんでした。大学で面白かったのは民俗学研究会で実施していたフィールドワークです。今思えば超ハードなことをしていたんですが、日本人の生の生活を実感できたインパクトはすごかったです。とくに和歌山県の串本で1人山奥で自給自足をしているおばあさん(今でも覚えていますが、平美みさゑさんという方でした)に関心をもち、詳しくお話しを聞くことで生きることの意味を真剣に考えました。私の学びは常に教室の外にありました。なので、縁あって自分が教員になってからできるだけ外での学びを意識してプログラムを行っています。大変ではありますが、自分が楽しいと思えるので苦になりません。今日は学生たちと京都ハンディクラフトセンター内にある帷縫製所さんに伺い、代表の兵庫さんからいろいろと指導を受けました。はやり、私が教室で話をするより現場で見聞きした方が、学生の表情が格段に引き締まります。真剣さが違うというか、彼らの頭の中で何かが起きているのが分かります。学生は刺繍に関心を持ったので、兵庫さんは学生がデザインしたモチーフを使って刺繍のデモンストレーションをして下さいました。私も初めて刺繍のプロセスを知りましたが、われわれはモノを買うばかりで作るプロセスを知らないまま生きてしまっていることを痛感しました。日本で売っている衣類の98.2%(2021年度)が海外で縫製されています。つまり、日本で縫製された製品はわずか1.8%に過ぎません。兵庫さんはそのことに疑問をもち、京都に誰もが使える縫製所を作られました。この縁をうまく繋いで行きたいと思っています。研究室のオリジナルグッズでも作ろうかな。

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│-│-│2022/08/08(月) 21:17

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