アラカルト

世紀の茶番劇

秋晴れの土曜日ですが、朝から入試業務。今回は例年通りなので、前回よりは楽。明日は休ませてもらいます。◆昨日、読書レビューの話を書いたので、最近読んだ本の中から1冊をご紹介。荒井英輔先生の『トリチウムの何が問題か』(リフレ出版、2022)です。最近出たばかりの本です。トリチウムについては、意外にも分かりやすい本がなく、実はこの間ネット上にいろんな情報操作もあります。原発政策を推進しやすくするためでしょう。そういう中での本書の出版は、とても意義があります。というか、よく出版されたと思います。眼から鱗の本でした。著者と出版者にエールを送りたいと思います。木下賞をあげたいくらいです。簡単にいうと、トリチウムは内部被曝を起こします。現在はそれを知りつつ、日本でも海外でも放出し続けており、福島ではこれから大量に放出する計画があり、IAEA(国際原子力機関)もそれを認めています。トリチウムを除去する技術があるにもかかわらずです。それはなぜか、福島がトリチウム除去をすると、他国もそれをする羽目になり、困るからです。経費がかさみ「原発が安い」と言えなくなるから。とくにフランスとイギリスです。だから、日本とIAEAはグルなのです。世紀の茶番というか、読んでいて怒りに震えました。また、未来の子どもたちに綺麗な海を残すためにいま社会が動かないといけないと思いました。次世代原子炉の推進をしている場合ではありません。10年経っても最終処分場を決めないばかりか、さらに海を汚そうとしている。ほんとにそれで良いのでしょうか。新型炉を開発する予算をとっとと洋上水力発電建設に回すべきではないでしょうか。多くの人が本書を読み、今福島で何が起ころうとしているのかを正しく知って欲しいと願います。また、他の科学者も黙っていないで立ち上がって欲しい。未来のために。

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│-│-│2022/11/05(土) 20:48

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