アラカルト

アンディ・ウォーホルの価値

芸術の秋ということで、朝から無印良品3周年記念イベントで吹奏楽部に所属するゼミ生の演奏会を鑑賞し、その後京セラ美術館で開催中のアンディ・ウォーホル展を観に行きました。少しずつ紅葉が始まっている感じでしょうか。とくにウォーホルが好きなわけではないですが、いま鳥取の新美術館で彼の作品購入が全国的な話題になっているのと、学生がいい展示だったということで訪問。作品を詳しく見るのは初めてだったので、彼の生い立ちや考え方を良く理解することができました。本当に大衆が求めるものが好きで、自己プロデュースがうまい人という印象を持ちました。ただ、もう35年も前に亡くなっている方なので、彼の価値を知らない人も多いかも。ましてや、そういう人にとってなぜ単なる箱(ブリロの箱)に3億円もかかるのかは理解できないでしょう。さらには、なぜ鳥取でウォーホルなのか。一方で、著名なマリリン・モンローの作品は250億程するわけで、比較からすると3億は安いともいえます(新美術館建設費が約150億円)。「市民とともに」というのなら、もう少し説明をきちんとすべきだったと思いますし、理解者を増やすアウトリーチ的な展示やワークショップ行うなどした努力も欲しいところです(ある程度やってはいるとは思いますが)。さらに、別な味方をすると、この問題が起きたからこそ、鳥取の美術館が脚光を浴び、完成後に人々が訪れる契機にはなるでしょう(あまり積極的な効果ではありませんが)。私としては、作品購入も大事ではあるのですが、もっと大事な事は今日見た展示の中でウォーホルが「ファクトリー」と呼んだ空間にあると思っています。このファクトリーでウォーホルはいったん真っ白になり、そこから新たな創造行為をしていたようです。そこに多くの人も引力のように惹き付けられてきた。いま鑑賞空間はあっても、そういうハチャメチャな創造空間がない。私が鳥取美術館の計画をつくるなら、まず「シビックファクトリー」という市民協働型の創造空間を中核に据え、その象徴として「ブリロの箱」を位置づけます。それと、私自身もどこかにファクトリーを持ちたいと強く思いました。お天気も良かったので、岡崎からプラプラとお散歩をしながら九条山を超えて御陵へ。ココットさんで遅めの昼食を頂きました☆カウンターにあったケチャップ缶がウォーホルの作品に見えてしまいました(笑)。あともう一個あったら完璧だったのに。

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│-│-│2022/11/06(日) 22:31

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