アラカルト

日本人の美意識 〜不足の美、余白の美〜

今日明日とうちの大学では一般入試が行われます。曇りですが、雪が降らなくて良かった。◆昨日、イチローさんがアメリカの野球殿堂入りを果たしました。アジア人初の快挙です。おめでとうございます。彼のフォームはとても綺麗で、今でもたまに動画サイトで見たりします。満票での選出でなかったようですが、彼は「1票足りないのは凄く良かった」「不完全であるのはいい」などと、前向きに答えていたのが印象的でした。もちろん悔しさもあるとは思いますが、まだまだ精進すべきところがあると受け取ったのでしょう。欧米では「人工美」や「完全な美」が好まれるといわれますが、日本では古来より「不足の美」や「余白の美」が尊ばれています。つまり、足りないところや何もない部分をマイナス的に捉えるのではなく、そうした部分にこそ見る人が新たなイメージや想像力を膨らませていく重要な要素としてとらえるという考え方です。それは、自然と調和した文化を長い間育んできた日本人特有の美意識なのだろうと思います。写真の茶碗は職場で使っているものです。ツルツルピカピカでシンメトリーな磁器よりも、こうした土の感じが残る陶器がなぜか好きです。

1.JPG
│-│-│2025/01/23(木) 08:58

page top