アラカルト

ミュージアムの可能性

例年、京都は祇園祭が終わると本格的な夏がやってくる感じでしたが、今年はもう夏バテが始まる感じです。◆先日、日本ミュージアム・マネージメント学会から400頁を超える本が届きました。学会が発行した『ミュージアム・マネージメントの創成と博物館学へのアプローチ』(2025、東京堂出版)です。最近の動向や情報が盛り込まれていて参考になりますが、そもそも現代社会において博物館の果たす役割は低下しています。それは万博も同じでしょう。加えて、財政難で人員が減っているので、以前より充実した調査・研究や企画・事業を行うことにも限界がありますので、「輝ける未来」があるかというと疑問です。現在、文科省に対して学芸員資格課程の協議会ではきちんと人を確保する法整備を考えるよう団結して要望書を提出していますが、ほぼ無視されるでしょう。参院選の公約をみても文化政策をきちんと提示している人はほとんどおりません。花より団子。ただ、ほぼ全てがバーチャルになりつつある時代だからこそ、本物を観る・本物体験をする需要は少なからずあるので、どうマッチングするか(興味喚起させるか)ということを真剣に考えることで突破口が開かれるでしょう。あとは、アクセス・料金というバリアをどう下げていくのかという視点も考える必要があります。私は「アート思考」と「出前プログラム」という側面からミュージアムの可能性を追求していければと思います。今年度中には出版したいのですが…。今週末は関係する学会が2つありますが法事があるので行けません…ということで、週末のブログはお休みいたします。

1.JPG
│-│-│2025/07/04(金) 08:44

page top