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アラカルトニシキトベの復活もう扇風機を出そうかと思うくらいの暑さ。でも明後日くらいからこの暑さは和らぐようです。さて、偶然に先週入手した本を読了しました。佐藤シューちひろさんという方が書いた『ニシキトベの復活』という不思議な本です。発行が5月15日となっているので、恐らくまだ本のレビューなどはほとんど書かれていないのではないでしょうか。ニシキトベと言っても知らない人がほとんどだと思いますが、約2000年ほど前に熊野地方にいた女王と考えられています。記紀には神武天皇に殺されたと記されているのみです。これまでその存在がほとんど知られなかったのは、まず文献がなかったためです。この本はニシキトベに関する日本初の文献と言えます。ただ、彫刻家である著者の書かれた内容は根拠のない推測ばかりが続いており、例えば神武や高倉下は大陸人とか、ヤマタノオロチが女性とか、ニギハヤヒがモンゴル人とか、大変です(笑)テレパシーやダウジングについても普通にでてきます。時代背景も皇紀2600年を下地にしているので、縄文時代となっていますが、そもそもその頃に金属の剣はありません。おそらく弥生時代か古墳時代でしょう。内容的に共感できる部分も少なくありませんが、いかんせん感覚記載が中心ですので、断定する客観的根拠がないのが問題です。この本が不思議だと思うのには訳があります。読んでいてとにかく驚いたのは、彼女がインスピレーションを感じた時期(2014年)と私がニシキトベに関わり始めた時期とがピタリと合致するのです。彼女は何かに突き動かされるように熊野に来てニシキトベの像を制作していくのですが、本格的に現地に入った時期が2015年の夏。同じ時期に私は学生を連れて熊野に入り、学生には街を見学してもらいながら、私はニシキトベの碑にのみ足を運びました。同時期にすごく近い場所に熊野にいたことになります。私はそれほど感性が強い人間ではありませんが、何か目に見えない強い力に引きつけられるような感覚があるのは事実です。ニシキトベと同じ時期に神武に殺されたとされる和歌山市のナグサトベは地域の人にずっと供養されてきました。しかし、なぜかニシキトベはどこがお墓なのかもよくわからず、きちんと供養したいという気持ちがあります。関連する史跡は少しずつわかってきたので、地元の伝承なども可能な限り根拠を明確にしていかなければ、間違った解釈が蔓延していくことが危惧されます。また、これまでの定説のように、もし神武天皇が実在しないとなると、彼女の存在も否定されてしまいますが、恐らくそうではないだろうと考えます。何らかの物証が見つかるとよいのですが、だいぶ前のことなので、そう簡単な作業ではないことは理解しています。なかなか現地に行く時間もとれないので、これを機会に地元での研究がきちんと進むことを期待するところです。今日のおやつは先日いただいた熊野の鮎菓子を。いくつもパクパクいけちゃう感じです。ごちそうさまでした☆
│-│-│2017/05/22(月) 22:51│
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