アラカルト

優しい心

今月も写真実習の展示会を設えました。急な豪雨の中での作業だったのでちょっとしんどかったですが、完成すると学生たちは満足げな表情をしていました。今回もユニークな作品が並びます。意外だったのは、「考古学の舞台裏」ということで、他の学部の人達が目にしない道具などを撮影したグループの企画です。今後は3Dスキャナーなどが一般化していくのでしょうが、アナログの道具はなくなって欲しくないものです。残りは食べ物企画で、京野菜と和菓子。それぞれに工夫が凝らされています。やっぱり学生さんは京野菜を食べる機会がほとんどなかったそうです。また、紫陽花の和菓子があるのを初めて知りました。設置作業をする前に、展示ボードがあまりに汚いので、一人でセッセと拭いていたら、見知らぬ女子学生が「お手伝いしましょうか?」と言ってきてくれたのには、ほんとに嬉しかったです。もう作業が終わるところだったので、お手伝いしてもらうことはありませんでしたが、その優しい心だけで生きて行けそうと思った金曜日でした。あの時はほんまにありがとう。

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│-│-│2021/06/25(金) 22:51

アラカルト

生活の中の芸術

うちの大学は、近くにある総本山醍醐寺さんと学術交流協定を結んでいて、寄付講座を行っているほか、醍醐寺さんが主催する「三宝院御流いけばな講座」を長年にわたり実施しています。研究室がある棟にはいつも綺麗なお花を生けて頂いています。ただ、今年の春に改修工事があり、お花が置かれる場所があまりにも人目につかない場所になってしまったので、あれこれ思案し、お花が引き立つ空間を整えることにしました。緊急事態宣言があり、生け花の活動が一時休止している間に場に合いそうな花台をセレクトし、今週から活動が再開されるのに合わせ入手した花台を設置してみたところ、とてもいい感じになりました☆花台は勝手に寄附させて頂きました。綺麗なお花を見られるだけでとても幸せな気持ちになります。入口のアプローチからも、エレベーターホールからも、階段からも見える場所に設えました。ついでにオリジナルディフューザーも添えます。場所が少し暗いので写真がどうしてもブレてしまっています、スミマセン。私はお花を生けることはできませんが、空間演出するのは得意分野です。美術館で作品を見るのもいいけれど、生活の中にこそ芸術を取り入れることが大切だと感じています。

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│-│-│2021/06/24(木) 22:30

アラカルト

東京駅を喰らう

いよいようちの大学でも職域接種が許可され、学生は昨日から、教職員は今日から予約が開始されました。来週には接種ができます。当初は秋頃までかかると想像していたので、あり得ないほど早い。ありがたいことです。学生に少しでも安心してもらえる環境にしたいものです。◆先日東京に行った折りに面白いお菓子を買ってきました。東京駅を模したチョコレート「東京駅丸の内駅舎クリスピーショコラ」です。結構しっかり作ってあり、限定商品にしているのも面白かったです。味もそこそこ美味しくできていて、ちょっとした話題作りにも使えそう。開発側はいろいろと試行錯誤されたんだろうと想像します。

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│-│-│2021/06/23(水) 21:08

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竜王と渡来の文化

緊急事態宣言は解除になりましたが、すでに東京ではリバンウンドが始まっているような感じで心配です。一方、学内ではワクチン接種の準備が着々と進んでいるようです。◆さて、日曜日の話ですが、近江八幡から帰る途中で一度寄ってみたいと思っていた苗村神社(竜王町)を訪れました。門がご立派。お寺ではなく神社です。神仏習合の名残がありますが、何より驚いたのが、この神社の創建年代が前に訪れた鏡神社と同じ頃ということ。しかも、どうもここもアメノヒボコ(新羅の王子とされる人)と関わるようです。「苗村」と書いて「なむら」と読みます。もともと日本書紀にアメノヒボコが滞在した吾那邑(あなのむら)であったものが那牟羅(なむら)に変わり、さらに長寸(なむら)に変わって、最終的に苗村になったという。なので、祭神は那牟羅彦神と那牟羅姫神です(残りの国狹槌尊は後に追加されたらしい)。単なる地名ではなく、古代の朝鮮半島南部にあった安羅(安耶・安那)という小国家の名前からきたものという説もあり、実際に滋賀県には安羅神社という名称の神社がいくつかあり、ここもアメノヒボコと関係している可能性が高いのです。ただ、不思議なのは地理的に山に囲まれた平地であり、そこに古墳が作られ、まさに古墳の中にある神社なのです(とくに東本殿)。なぜこの地が選ばれたのか、またなぜ祭神がアメノヒボコではないのかという疑問が残ります。ちなみにこの神社、大祭が33年に一度行われるとのことで、次回の大祭はなんと2046年です。滋賀の文化は深すぎますが、とても面白いです。境内に変わった紫陽花が咲いていました☆

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│-│-│2021/06/22(火) 23:04

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太陽と鏡と禊

今日は夏至。伊勢の夏至祭は、今年も禊ぎ神事は中止となったようです。いつか見てみたい。神代の時代では、夏至の朝に昇る太陽を「再生の象徴」としたようです。身を削ぐ(禊ぎ)行為も、厄を落とす行為であるとともに、生まれ変わりを意味します。そして、太陽と鏡は同じ神格をもちますので、伊勢に八咫鏡が奉納されたわけです。鏡ということでは、昨日大きな発見がありました。日牟禮八幡さまで、鏡岩を見つけました。本殿横に岩戸神社の祠があるので、どこかに岩屋があると思い、以前山頂を調査したことがありましたが見つからず、昨日本殿の真裏に巨大な鏡岩があるのに気がつきました。何度も来ているのに正面から見えないので知らぬままでした。この岩は屏風岩ともいい、階段状の不思議な形。もしかしたら、この形が「日牟禮」の語源に通ずるかも知れません。そして、その脇に鏡池もありました。この神社でここが一番大切な場所です。社殿が本来の神を隠してしまっている典型例ということがわかります。昔の人はなんと失礼なことをしているのか、現代の人はもっとそれに気づいてほしい、とつくづく思いました。

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│-│-│2021/06/21(月) 22:25

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