アラカルト

生き延びるための観光経営

天気予報をみていると、だんだんと気温が下がっていくようで、そろそろ秋がはじまってくるのでしょうか。◆今夜は、昨日放送していたカンブリア宮殿を録画で見ました。ゲストは星野リゾート社長の星野佳路さん。最近、マイクロツーリズムとかいって結構メディアにでているので、一度見てみたいと思っていました。結論からすると、近場の住民をターゲットに町探検的なプログラムを展開するというもので、我々からするといつもやっていることなので、とくに新鮮味はありませんでした。ただ、観光事業者も本格的に地域資源の再評価をしているということです。見ていて驚いたのが、会社の倒産確率をきちんと算出されていたことです。星野リゾートの場合、38.5%と資料に書かれていました。新型コロナの影響がいつまで続くのかわかりませんが、星野リゾートで40%弱ということでしたら、大概は危機的状況なのでしょう。事例の中に青森屋が登場していました。宿泊したことはありませんが、震災後にそれまでホテルが保管されていた小川原湖民俗資料館の収蔵資料の被害状況が気になり2回ほど行きましたが、けんもほろろ。結局、数年後あの貴重な民具資料は自治体が引き取ることで決着。ホテル側は古牧温泉時代の文化遺産には関心がないようで、調べてみたら旧渋沢邸・アチックミュージアムも手放すようです(2022年に東京都江東区に整備されるイノベーションセンター内に移転設置予定とのこと)。ホテル業界はの生き延びるために今までにない事業を展開し始めていますが、ある意味この機会に足下の歴史や文化など地域把握をしっかりとする良いチャンスなのかも。それこそがほんとの「キュレーション」なのです。近い将来、ホテルスタッフも学芸員資格が必要になる時代が来るかも知れません。◆スーパーの屋上で空を見上げたら、素晴らしい夕焼けが広がっていました☆

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│-│-│2020/08/21(金) 22:10

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李登輝氏の警告

今日は博物館実習生の激励訪問に行きましたが、まぁなんというか、この時期に実習をするというのは学生も施設側も大変ですね。おつかれさまです。別の施設で体調不良になってしまった学生がいましたが、今日会った学生は高校時代水泳部で体力には自信があるとのことで元気に作業をしていました。私の方が死にそう…◆ところで、このところ先日お亡くなりなった李登輝台湾元総統の本を読んでいます。日本語で書かれた本がたくさんあるのですが、1冊選びました。1999年に発行されたものです。ものすごい見識をもたれています。22歳まで日本人として生き、その後台湾の発展に命をかけて尽力をされています。世界的な視野で書かれていますが、日本に対しても様々な提案をされています。中でも印象に残ったのは、日本の政治家に対する痛烈な批判です。とくに世襲議員に対しては怒りとも悲しみともとれる文章にみえました。20年前の本ですが、現在でも変わってはいないでしょう。むしろ悪くなっているかも知れません。一方、李登輝氏は台湾のためを考え総統直接選挙を実現させ、結果的にそれが良い方向に進んでいると思われます。完璧な制度というものはありませんが、たとえ安倍首相が退任されても希望をもてる首相が誕生するかというと大変疑問です。そうした意識の流れが、日本全体の閉塞感に繋がっていると私は思います。李登輝氏のいうように、有能な人が政治家になれるような仕組みを考えないと、日本は今後もっと苦しい立場に追い込まれていくでしょう。少なくとも、すでにいろんな面で台湾は改革を進められていて、今後台湾から学ぶことがますます多くなっていくことでしょう。

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│-│-│2020/08/20(木) 21:41

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新しいファッション?

この暑さは週末になれば少し落ち着くようです。コロナと暑さに加えてマスクしないといけないので、今年は辛いねぇ。◆今日は午前も午後も結構お客さんがお見えになって、研究室が賑やかでありました。二人のゼミ生が卒論指導の関係で来たんですが、同じリストバンドをしているので、最初は新しいファッションかと思っていました。聞いてみると、入校するときにコロナチェックの関係で付けさせられるものだと分かりました。言われなけばファンションだと思ってしまう私…。今年度は遠隔指導ばかりなので、授業のこと以外について話す機会はありませんでしたが、こうやって対面すると、論文のこと以外に、就職のこと、バイトのこと、ボランティアのことなどなど、いろんな話をしました。聞いていると、学生も悩みだらけで大変やなぁ〜という印象でした。こんな時代でも圧迫面接を受けた話や、内定先がブラック企業だったという話も聞き、憤慨もしました。これからの若い世代にとって、夢を持って生きられる世の中になっていって欲しいと願うとともに、どこまで対応できるかわかりませんが大学こそ駆け込み寺であるべきと思った次第です。

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│-│-│2020/08/19(水) 21:31

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地域に佇む拠り所

日中は身の危険を感じるほどの暑さになるので極力外に出ないようにしていますが、今日はちょっと外で用事があり車に乗ろうとしたら、即死してしまいそうな感じでした。夏場だけでも車の色を白に塗り替えたい。◆さて、日曜日の話になりますが、寺町通りをフラフラと北上し、京都市歴史資料館に寄ってきました。いまちょうど地蔵盆に関する展示をしているので、一度見に行きたかったんです。関西では地蔵盆は庶民の文化として根付いていますが、関東で育った私としては馴染みがありませんでした。非常に小さな地域単位でお地蔵様を祀り楽しいイベントなどが行われる祭事は、コミュニティーの形成とともに心の拠り所としてとても重要なものと思っています。お年寄りの方々はお地蔵様の前では軽く一礼をして通りすぎていきますし、中には夜にかなり長い時間手を合わせている方も目にします。ですので、私も自然とお地蔵様の前では軽くお祈りをするようになりました。展示では市内中京区の下高倉町に関する資料を中心として紹介がされていましたが、中でも10分くらいの映像として、その準備から終了までの流れを説明してあったのがとても良かったと思います。一方で、私のいる山科地域では、地域の方が全てのお地蔵さんの調査をされ冊子にもされているのにその紹介がなかっただけでなく、紹介マップに山科が入っていなかったので、2度ずっこけてしまいました。それはともかく、よく地域が子どもを見守るという表現がありますが、お地蔵様にも見守られている京都の子どもはとてもうらやましいとほんとに思いますし、コロナに負けず新しい地蔵盆のあり方が模索されることを期待したいです。

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│-│-│2020/08/18(火) 21:32

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未来の建築

今朝仕事場に行ったらほとんど誰もいない??大学の事務は今日まで休みだったようで、1日間違えました…。いろいろ仕事も溜まっていたし、せっかく来たので普通に仕事。またどこか隙間のところで勝手に振り替えます。◆さて、昨日の話ですが、寺町通りを歩いていたら鳩居堂本店さんの工事囲いが外され、全貌が明らかになっていました。大きな囲いだったので、てっきり数階建てのビルができるとばかり想像していましたが、いい意味で裏切られました。とっても素敵な本店がそこにありました☆中庭のようなスペースもあり、まだ完成していないのにワクワクします。写真ではわかりにくいですが、かなりディテールにもこだわられています。あくまで個人的な思いですが、京都における未来の建築ってこうあるべきでしょう。何かガラス張りのピカピカ・ツルツルした建築が未来的だと思ったら大間違い。現代的要素を取り入れつつも、京都らしい美意識を崩さないスタイルにこそ「未来」を感じます。後ろのビルやアーケード、何本あるか分からないほど束になっている電線こそ必要ないでしょう。この社屋をみていると、そんな感覚が頭の中に広がっていきます。

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│-│-│2020/08/17(月) 22:00

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