アラカルト

良いものは時代を超える

天候や道路状況が心配でしたが、無事に信楽のミホミュージアムで開催された毎年恒例の「夏期美術館研修会」に参加してきました。こういう時期なので、ほとんど関係者のみでの開催でした。今回はこれまでの滋賀県における美術館と学校連携活動の振り返りが少しあり、久しぶりに16年前に当時文化庁長官の河合隼雄先生がここに来られた時の映像を見ました。残っていたんですね。3枚目の写真一番右で腕を組まれているのが河合先生です。私は後ろ側の席の右から3人目(前の人と被っていますが)。まだ専任講師の時代でしたが、今でも昨日のことのように覚えています。この時、先生は「みんなで新しい文化を切り開いて欲しい」という言葉を残され、彼は翌年病に倒れます。あれから16年と2ヶ月。これまで積み上げてきたものをきちんと本に残すのがこの夏の仕事になりました。まぁ、私にはそういうことくらいしかできないんですけど。この時期、美術館は完全予約でしたが、大学生と思われる若者が沢山来ていました。SNSで拡散したのでしょう、近未来なトンネルを背景に、みんな自撮りをしていました。今までにない光景でした。開館して24年経ちますが、未だに色あせない美術館だと思います。良いものは時代を超えるといいますか。開催中の蒔絵展も素晴らしかった。とくに紫宸殿の右近の橘・左近の桜を表現した硯箱が個人的に一番の作品でした。この展示会を見てしまうと、日常世界がとても薄っぺらに感じます。過去には戻れませんが、過去に学ぶことは沢山あると改めて感じました。

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│-│-│2021/08/17(火) 21:48

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「あの世」の証明

五山送り火。今年も縮小して実施されたようです。無事に祖霊たちがあの世に戻られたのでしょうか。そもそも、お盆というのは、あの世が存在することを前提に成り立っている行事ですが、送っている人達はあの世の存在をどう考えているのでしょうか。そのテーマに関連して、このお盆休みに面白い本を読みました。エベン・アレグザンダーという方が書かれた『プルーフ・オブ・ヘヴン 脳神経外科医が見た死後の世界』という本です。とても真面目な内容で、あの世や臨死体験を扱う文献の中ではもっとも科学的な本と言えるでしょう。なぜなら、あの世の世界を完全否定していた医師自らが、2008年に細菌性髄膜炎により1週間の昏睡状態を経験し、その間の臨死体験を医学的知識を用いてまとめているからです。なので、結構難しい記述が多いですが、非常に緻密に書かれていて興味深く読みました。普通、医者や研究者がこういう本を書くと疑念の目で見られがちですが、自分のキャリアを投げ打ってでも、その叡智を知らせたかったのだと想像します。私が注目したのは、あの世での人間関係でした。彼は小さい頃に実の両親と生き別れ、実の妹がいたことや、2008年時点で彼女がすでに亡くなっていたことは知らなかったのです。ですが、回復後に妹の写真を見る機会が訪れたとき、写真に映っていた女性が、あの世でずっと自分に付き添ってくれていた人物だったことが判明するのです。日本は歴史が古く、霊的な世界に関する伝承や文献も多いですが、現在では真面目な研究対象にはなかなかなり得ませんし、支持もされにくくなっています。ただ、いったんあの世の概念を受け入れたときに見えてくる世界もあるのではないか、あるいはむしろその方が理屈が通ることもあるのではないか、と考えることがよくあります(実証は難しいですが)。◆今日は明日の研修の準備で職場で仕事をしていました。その関係で、お昼は椥辻のサフランさんでカレーとラッシーのセットを頂きました☆カレーはどうしても食べたくなります。

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│-│-│2021/08/16(月) 21:45

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「この世」と「あの世」の境

昼間にようやく雨が落ち着いたので、お散歩がてら四ノ宮地蔵に行ってきました。お盆の時期なので、六道珍皇寺さんに行ってみたかったのですが、町中に出るのはやめて近場のスポットを見つめることにしました。日本の地蔵信仰は、もともとあった道祖神信仰と習合し発展してきたようで、どちらも守り神であり、あの世とこの世を繋ぐ場所であるようです。京都の場合は22・23日が地蔵盆なので、この時期はほとんど人はおりませんでした。近くにある人康親王ゆかりの十禅寺さんと諸羽神社さんにも参拝しました。◆お昼は、たまたま三条通りを歩いていたら見知らぬお店があったので即入店。「Sobremesa(ソブレメサ)」という名前のスペイン料理店。7月26日にオープンしたばかりだそうです。ちなみに「Sobremesa」とは、スペイン語で「食事の時間を楽しむ」といった意味とのこと。とくに野菜にこだわりを感じました。野菜バーランチは高かったので、一般的なチキンのランチを頂きましたが、大きめのボールいっぱいのサラダが来ました。とてもヘルシー。当たり前ですが、いつも家で食べているカット野菜とは全く違って新鮮でした。おやつは場所を移動してクグロフ屋さんでロールケーキを頂きました☆クリームが多かったので、後でお腹にくるかなと思いましたが、今日は大丈夫でした。

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│-│-│2021/08/15(日) 22:43

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古くなるほど価値が上がる世界

もう大変な雨で、うちの辺りも凄いことになっています。電車も止まっちゃったし、道路も…。昼間にちょっと買い出しに行ったら、大渋滞でした。雨を止める雨乞いをしないと。◆ところで、うちの学生が車雑誌に掲載されるというので、買ってきました。「カー・アンド・ドライバー」の9月号。文学部の4回生で、資格の授業に参加してくれています。親の影響で珍しい黒の86に乗っていて、いろんなイベントに参加しているようです。服装もいつもオールブラックで決めています。学内では唯一クルマの話ができる貴重な人物。これから、ますます価値が高まっていくことでしょう。最近、ジムニーの中古車もビックリするほどの値段で取引がされています。私が前に乗っていたサムライ(ジムニーの逆輸入車)が300万円の値をつけているものもあります。どうも、現行車の人気が旧車の人気を押し上げているようです。3年前にはまったく想像ができなかった状況ですが、このビンテージ文化というものにとても興味がそそられます。流行に乗るのではなく、基盤にある真理を追究できる人でありたい。

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│-│-│2021/08/15(日) 00:06

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恋をかなえるためには

このところ京都も感染爆発しはじめているようで、心配です。やっぱり人出を減らすのと、多人数での会食はがまんしてもらわないと、さらに深刻な事態になりかねない。医療現場のことを考えて行動して欲しい。◆今日は久しぶりに偏頭痛がするので、体が思うように動かず。午前中は何もせず、午後に溜まりに溜まった郵便振込をしに行ったり(八つの学会の入っているので、その年会費支払をまとめてしてしまいます)、読み終わった本や漫画を整理してブックオフに持っていったり、ほぼ雑用で一日終わり。それはそうと、昨日はイノシシの話題でしたが、今日は玉虫の話を。最近は虫嫌いの学生が多く、教室で虫が出ると大騒ぎになります。もちろん、毒のある虫などはご遠慮したいですが、一方で好きな昆虫も結構います。中でも玉虫は特別好きで、見つけただけで神様に遭遇した感じがします。京都に来て良かったことの一つに玉虫に逢えるということ。たいていは、大学の構内で見かけることが多いですが、今年は自宅マンションで初めて発見しました。写真はそのときのもの。少し弱っていたためか、近づいても逃げず珍しく写真に収めることができました。日本の民間伝承では、「玉虫を鏡台に入れると恋がかなう」「玉虫を箪笥に入れると衣類が増える」などの言い伝えがあり、少し前の日本では玉虫をかなり重宝していたことが伺えます。古代にはお厨子や馬具の装飾に使われていたのは有名な話。何か良いことが起こるかも知れません。

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│-│-│2021/08/13(金) 21:25

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